栃木県宇都宮市でパーソナルジムを運営している株式会社イシトレ代表の石川です。
同じものを食べていても、太りにくい人もいるし、同じメニューでダイエットをしていても痩せにくい人もいます。自分が痩せにくいと感じている人は、基礎体温の低さが原因かも知れません。人間の体温は通常、36.5度~37度くらいと言われていますが、基礎体温が35度台、人によってはそれ以下の低体温の人もいます。
基礎体温が1度低下すると、基礎代謝量が約12%も減ると言われています。たとえば、基礎代謝が1,500 kcalの人の場合、約180 kcal(1,500 kcal × 0.12)程度の減少が見込まれます。体組成計などではこの基礎代謝の減少を測定することが出来ないので、思ったよりも基礎代謝が低い可能性があります。今回の記事では、基礎体温が下がってしまう原因や、基礎体温の上げ方などを解説させていただきます。
基礎体温が下がってしまう原因
基礎体温が下がってしまう原因は様々で、生活習慣や健康状態が大きく影響します。以下は、基礎体温が下がってしまう主な原因です。
1)冷えやすい生活環境
生活環境が寒い場所だと、基礎体温も低くなりやすいです。夏の冷房、冬に暖房器具を使わないなどが該当します。
2)運動不足
筋肉は熱を生成するので、筋肉を使わない生活をしていると、基礎体温は下がりやすくなります。
3)栄養不足
エネルギーや栄養が不足すると、体内で十分な熱が生まれず、体温が下がります。特に、たんぱく質や鉄、ビタミンB群の不足が体温低下に関係しています。
4)ストレスや自律神経の乱れ
ストレスがたまると自律神経のバランスが乱れ、体温を調整する機能が低下しやすくなります。特に交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、冷えにつながります。
5)ホルモンバランスの乱れ
特に女性の場合、ホルモンバランスの乱れが体温に影響します。例えば、更年期や生理周期に伴うホルモン変化が原因で、基礎体温が変動することがあります。
6)睡眠不足
十分な睡眠が取れないと体の修復や回復が不十分になり、体温調節機能も低下しがちです。特に深い睡眠が不足すると、基礎体温が下がりやすくなります。
7)甲状腺機能低下
甲状腺ホルモンは代謝に大きく関わるため、このホルモンが不足すると基礎代謝が低下し、体温も下がります。甲状腺機能低下症などの症状がある場合には、体温が下がる傾向があります。
これら原因が複合的に重なって、基礎体温が下がりやすくなってしまいます。
基礎体温が下がるデメリット
基礎体温が下がると、基礎代謝が下がりますので痩せにくく太りやすくなりますが、それ以外にも様々なデメリットがあります。
1)免疫力が低下する
体温が低いと、免疫細胞の働きが鈍くなり、ウイルスや細菌に対する抵抗力が低下します。そのため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
2)疲れやすくなる
基礎体温が低いと血行が悪くなり、体内の酸素や栄養が十分に行き渡らなくなります。その結果、疲労がたまりやすく、エネルギー不足を感じやすくなります。
3)精神的な不調が増える
体温低下により交感神経の働きが優位になり、ストレスを感じやすくなることがあります。冷えは気持ちの落ち込みや不安感、イライラなどの精神的な不調にもつながりやすいです。
4)病気のリスクが高まる
低体温は糖尿病や高血圧などの生活習慣病、さらにはがんのリスクも高めると考えられています。これは、体温が低いことで細胞の代謝が不十分になり、老廃物が排出されにくくなることが原因とされています。
基礎体温が下がると、心身に様々なリスクが増しますので、改善したいところです。
基礎体温を上げる方法
基礎体温を上げるためには、生活習慣の見直しが必要です。以下に具体的な方法を紹介します。
1)服装で適度に保温する
季節に応じて服装を調整し、体を冷やさないようにしましょう。特に首元、手首、足首は「冷えやすい三首」と言われ、ここを温めることで全身が暖まりやすくなります。冬は靴下や手袋、マフラーなどを活用すると良いでしょう。
2)バランスの取れた食事をする
体温を上げるには栄養も大切です。たんぱく質(肉・魚・大豆製品)や鉄分、ビタミンB群が豊富な食材は、基礎代謝を高めるのに役立ちます。また、ショウガやニンニク、唐辛子など、体を温める食材も積極的に取り入れましょう。食事は1日3回、規則正しくとることが基本です。
3)適度に運動する
筋肉は熱を生み出す重要な器官です。筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、体温も上昇しやすくなります。特に効果的なのは、筋トレやウォーキング、ストレッチなどの全身運動です。毎日軽い運動を続けることが基礎体温向上に役立ちます。
4)湯船に浸かる
38〜40度のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、副交感神経が優位になりリラックス効果が得られます。入浴により体の芯から温まり、体温が上がりやすくなります。シャワーだけで済ませるのではなく、湯船に浸かることを習慣にしましょう。
5)リラックスする
ストレスは交感神経を過剰に刺激し、体温が下がる原因となります。日々、深呼吸や瞑想、ヨガなどのリラックス法を取り入れ、自律神経のバランスを整えましょう。リラックスした状態では、副交感神経が優位になり、血行が良くなり体温が上がりやすくなります。
まとめ
基礎体温が低いと、太りやすく痩せにくい以外にも心身ともにデメリットが多く、改善していきたいものです。基礎体温を上げる生活習慣の見直しは、それほど難しいものでもありませんので、出来る事からコツコツと積み上げていきましょう。