日本は長寿大国として有名です。男性が約80歳、女性が約87歳。平均寿命は世界でもトップレベルと言われています。しかしその裏で、実は寝たきりの人の数や寝たきりの率の高さも世界トップレベルという事実もあります。
自分で日常生活を送れる期間を「健康寿命」と言います。健康寿命を延ばすことが大切とも言われるようになってきましたが、平均寿命から平均健康寿命を引いた年数、つまり寝たきりの状態の年数が、男性で9年、女性で12年という数値が出ています。今は健康ではありますが、寝たきりの余生を10年程度あると考えると、絶望すら感じます。
日本が寝たきり大国になってしまう理由
日本が寝たきり大国になってしまうのには、風習や文化、考え方の違いなど様々ありますが、ひとつは国民皆保険制度があるのではないかと思っています。日本は国民皆保険制度なので、医療費の自己負担額が少なくて済みます。自己負担が少ないため、延命治療なども積極的に行っているのも理由のひとつではあるでしょう。諸外国では延命治療という概念すらない国がほとんどです。
日本では寝たきりになって、自分で食事ができないくらいに衰弱したとしても、チューブで栄養を送ったりして延命します。欧米では本人も家族もそれを望まず、むしろ無理やり生かすことを虐待と考えるからだとも言われています。
日本では「人生100年時代」とも言われるようになりましたが、これも実は、ただ単純に寿命が延びるというわけではなく、医療技術の発達により、より延命されてしまうという事情もあるようです。つまり、さらに寝たきりの年数だけが伸びてしまうことになってしまいます。考えただけでも恐ろしいです。
大切なのは、いかに健康寿命を延ばすか
当たり前ですが、ただ長生きすればいいというものではありません。大切なのはいかに健康寿命を延ばすかではないかと思います。健康のためには、やはり食事と生活習慣です。よく、元気な老人は肉をよく食べると言われていますがまさにその通りで、ヒトの身体はたんぱく質で出来ているので、たんぱく質の摂取量が少ないと元気ではいられません。
余談になりますが、たんぱく質の消化酵素はたんぱく質なので、たんぱく質摂取量が少ない人は、たんぱく質の消化が難しくなってしまいます。なので意図的にたんぱく質食材を避けるようになります。肉や魚などのたんぱく質食材が苦手な方は、たんぱく質不足のサインとも言えます。少量ずつでも摂取する意識を持っていきたいですね。
「老後2000万円問題」とかも言われていすが、ある意味、健康な身体はお金よりも大切だと私は思います。いくらお金があっても、寝たきりになってしまえば使う事も出来ません。悠々自適な老後を夢見て、生活費を切り詰めてお金を貯めてきたとしたら、とても笑えません。
健康な身体であれば、最悪、お金がなかったとしても、働いてお金を稼ぐこともできます。老後に働きたくないという人もいるかも知れませんが、社会的つながりを保ちながら頭と体を使うことは、老化防止にも大いに役に立つでしょう。暇つぶしにもなるし、メリットも大きいと思います。
考え方に次第ですが、健康な身体はお金以上に価値があります。そうゆう意味で、自分の身体に投資するのはメリットが大きいと言えるのではないでしょうか。